検査の流れ

検査の流れ*

  • ・内診、経腟超音波検査(以下、超音波検査)、血液検査、卵管疎通性検査、精液検査など、妊娠成立に関与する因子に関する検査を実施し、排卵因子、卵管因子、男性因子などの原因を検索します。
  • ・検査を実施しても原因が不明な場合がありますが、生殖補助医療を実施しないと授精障害、受精卵発育障害などの原因はわかりません。
  • ・検査スケジュールは一般的なものですので、個々の皆様の無理の無い範囲で、可能な時期に、先ずはご来院下さい。

診療費用について*

  • ・以下の診療費用(再診保険3割負担:2023年10月1日現在)は、同一周期にすべての検査を実施した場合の一例で、実際の費用と異なる場合があります。
  • ・また、同一周期で、前回の来院時と全く同じ検査・治療を実施した場合でも、同一周期における検査の実施回数、各種加算・判断料などの相違により、当日の費用が前回来院時の費用と異なる場合がありますのでご承知おき下さい。

初診~2回目までの来院時に実施する検査*

スクリーニング血液検査(採血)(自費)

  • ・原因検索、ご本人の現況把握、妊娠成立に関与する因子などのチェックのため、生化学、ホルモン、感染症などのスクリーニング血液検査を初診~2回目来院時に実施させて頂きます。
  • ・これまで妊娠された方、・1人以上お子様がいる方も同様に実施します。
  • ・他院で検査後、12か月以上経過されている方は、当院で再検査させて頂きます。
費用
スクリーニング血液検査(採血) ¥29,700(自費)

月経周期に沿った検査(月経周期28日型の場合)*

月経周期1~5日前後(月経中)

脳下垂体・卵胞ホルモン検査(採血:毎周期)
  • ・ホルモン検査で毎周期の視床下部-脳下垂体系-卵巣系の機能評価をし、排卵障害・卵巣機能不全などに対する効率的な治療法の選択に役立てます。
  • ・LH(黄体形成ホルモン)=排卵・黄体形成に関与、排卵障害の診断に有用です。
  • ・FSH(卵胞刺激ホルモン)=卵胞発育に関与、卵巣予備能、排卵障害の診断に有用です。
  • ・E2(卵胞ホルモン)=子宮内膜肥厚、頸管粘液増加に関与、過度な低下・上昇は卵巣予備能の低下を示唆します。
費用
再診料+(LH・FSH・E2)検査 ¥2,150
超音波検査(内診:必要時)
  • ・月経中に卵巣中の小さい卵胞(前胞状卵胞)の数を超音波検査で測定します。
  • ・卵巣の予備能検査として有用です。
費用
再診料+超音波検査 ¥1,810

月経周期7~11日前後(月経終了~排卵前)

卵管疎通性検査(フェムビュー使用)(予約制)(内診:通常1回)(自費)
  • ・卵管の通貨障害があると、タイミング法や人工授精は無効のため、重要な検査です。
  • ・当院では放射線・造影ヨード剤の影響が無い超音波下子宮卵管撮影検査を実施します。
  • ・専用機器(フェムビュー)で、空気・生理食塩水混合液を子宮内に注入し、超音波検査を行い子宮内腔の状態、卵管通過性などをチェックします。
  • ・検査は痛みを軽減するよう工夫し、結果は超音波画像でお見せします。
  • ・検査による感染症発症率は極めて低率ですが、予防のため抗生物質を2日間内服します。
  • ・検査至適時期に日程的に来院不能な場合、検査実施周期に月経中を含め、完全避妊が可能であれば、排卵後でも検査実施可能です。
  • ・従来実施していた、X線を使用した子宮卵管造影(HSG)は現在実施しておりません。
  • ・現状では保険適応検査になっておりません。
費用
卵管疎通性検査 ¥22,000(自費)

月経周期9~12日前後(排卵前)

超音波検査(内診:毎周期)
  • ・卵胞は排卵に向け増大し、排卵直前に卵胞径18~22mm子宮内膜厚は6mm以上になります。超音波検査で卵胞径・子宮内膜厚を経時的に測定し排卵日を予測します。
  • ・初回の超音波検査では、子宮筋腫、卵巣腫瘍、子宮内膜ポリープなど有無も確認します。
子宮頸管粘液検査(内診:毎周期)
  • ・排卵期に増える透明の子宮頸管粘液の有無・性状をみて、排卵時期を予測します。
尿中LH(黄体形成ホルモン)検査(採尿:毎周期)
  • ・LHは成熟卵を排卵させ、黄体形成作用があります。排卵の約24~36時間前後にピーク状に分泌されるため、排卵日の予測のために実施します。
  • ・LH上昇のピークの持続時間は12時間前後なので、1日2回検査可能ならベストですが、それでもLHサージを検出不能の場合もあります。
  • ・ご自宅で市販の尿中LH試薬で測定可能ですし、来院検査でも対応します。
費用
①再診料+超音波検査1回目+子宮頸管粘液検査 ¥2,260
②同時に尿中LH検査を実施した場合=①+尿中LH検査 ¥2,480

月経周期15~17日前後(排卵後)

フーナーテスト(性交後試験)(内診:結果次第で複数回)
  • ・腟内に射精された精子の子宮頸管内への進入を調べる検査です。
  • ・検査当日または前夜に性交を持った後、来院内診時、子宮頸管粘液を取り顕微鏡で粘液検査中の全精子数、運動率を調べる検査です。
費用
再診料+フーナーテスト ¥770
超音波検査(内診:毎周期)
  • ・超音波検査で排卵の有無、子宮内膜厚を測定します。
費用
①再診料 ¥220
②同時にフーナーテストを実施した場合=①+フーナーテスト ¥660
③超音波検査2回目:自費 ¥3,300

月経周期20~22日前後(黄体期中期)

黄体機能検査(採血:毎周期)
  • ・排卵後、黄体から受精卵着床促進作用を持つプロゲステロン(P4=黄体ホルモン)とエストロゲンの1種であるエストラジオール(E2=卵胞ホルモン)が分泌されます。
  • ・黄体期中期の黄体機能を評価するため、主に血中のプロゲステロンを測定します。
費用
再診料+プロゲステロン検査 ¥1,360

妊娠成立に関与する因子の検査*

パートナーの感染症血液検査(採血)(自費)

  • ・感染症検査(梅毒・エイズ・B型肝炎・C型肝炎・クラミジア)は、ご自身(女性)の当院初診から1カ月以内に実施させて頂きます。
  • ・他院で感染症検査後6か月以上経過している場合は、再検査させて頂きます。
  • ・来院困難な場合、アクセスの良い他施設での検査実施でも構いません。
費用
パートナーの感染症血液検査(採血) ¥11,000(自費)

精液検査(予約制)

  • ・精子濃度、運動性、運動率、奇形率などについて検査します。
  • ・同時にコンピュータ精子特性検査(自費)で精子特性を解析します。
  • ・ご自身(女性)の当院初診から1カ月以内に実施させて頂きます。
  • ・精液検査の検体は自宅採取のみで、院内採取は対応しておりません。
  • ・禁欲期間(2~7日以内)後、滅菌容器に採取した精液は2時間以内に当院にお持ち下さい
  • ・精子の保温は最近20~25°Cが最適と言われ、採取後3時間でもこの温度内で保温された場合の精液所見は変動が少ないため、精子運搬容器の使用をおすすめします。
  • ・精液検査は変動の大きい検査で、異常値がある場合は再検査します。
費用
初診料+精液検査 ¥1,190
コンピュータ精子特性検査 ¥5,500(自費)
精液採取用滅菌容器 ¥330(自費)
精液運搬用容器 ¥2,750(自費)

抗精子抗体検査(採血)(自費)

  • ・フーナーテスト不良、原因不明不妊、人工授精前などの方に実施します。
  • ・女性の血液中に精子をブロックする抗体があると、精子の子宮・卵管への侵入を阻害して受精が困難になります。その場合人工授精または生殖補助医療を実施します
費用
抗精子抗体検査(採血) ¥7,700(自費)

子宮頸がん検査(内診)

  • ・1年以内に実施されていない場合、実施します。
費用
①保険3割負担適応の場合=再診料+子宮頸部細胞診検査 ¥1,450
②自費子宮頸部細胞診検査 ¥3,850(自費)
③足立区子宮頸がん検診=子宮頸部細胞診検査+送付手数料 ¥720

子宮体がん検査(内診)

  • ・子宮内膜ポリープなどがある場合、必要に応じて実施します。
費用
再診料+子宮内膜細胞診検査 ¥2,330

腟分泌物細菌培養検査(内診)

  • ・帯下がある場合など、必要に応じて実施します。
費用
再診料+膣分泌物細菌培養検査 ¥1,570

子宮頸管クラミジアPCR検査(内診)

  • ・帯下がある、採血でクラミジアIgG、IgAが陽性の場合などで必要に応じ実施します。
費用
再診料+子宮頸管内クラミジアPCR検査 ¥1,530

基礎体温測定

  • ・基礎体温測定は排卵日の予測、排卵の有無、黄体機能評価など有益な情報が得られます。
  • ・測定が非常にストレスになる場合は可能な範囲で測定して下さい。